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未勝利日記

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2004年11月1日 (月)

○永久戦争(P・K・ディック)

永久戦争【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

SF大会のディーラーズで買った古本。戦争もの短編集。 ということで、ディックの評価されている部分ではない部分がいっぱい。 でも反戦思想に貫かれているので、俺は嬉しい。

○きつねつきの科学(高橋紳吾)

きつねつきの科学【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

図書館で借りたブルーバックス。若干古い。 きつねつきをネタに精神医学についていろいろ語る本。 作者は臨床もしている精神科医なので(かどうかわからないが) 語り口は自信たっぷり、こうなのでこうであるというような調子。 でもまあそれほど嫌ではなく、なんとなくすらりと読んでしまった。

○止まっている舞城王太郎。

ははははは、飽きたかも。「暗闇の中で子供」の9ページを読んでいる時に、 なんか飽きたというかうんざりというかもういいやという気がしてきて、 それ以後は蝸の這うような速度で進んでいます。

2004年11月3日 (水)

○暗闇の中で子供(舞城王太郎)

暗闇の中で子供【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

なんというか、つまらない。まあね、舞城王太郎にとって ミステリは枠組みを借りているだけのものだからそこを突っ込んでは いけないというのはわかるのだが、そうはいっても殺人の動機がない のはやはり気になる。そのへんは清涼院流水に似ているかもしれない。 おれは清涼院流水は一作しか読んでいないし、今後も読むことはないだろうが、 殺人というのは密室もトリックも犯人も動機もどうでもいいことなのだ。 もちろん舞城王太郎は清涼院流水とは文章力が比較にならないほど優れているが。

「人殺しするやつはみんなきちがいなんじゃ。だから動機なんてもんはないんじゃ」 と言う文章は書かれていないのだが、この作品に登場する殺人や障害事件の犯人には その犯行をする動機がないのである。いや、いちおう動機は書いてあるけれど、 ちょっと突っ込めばすぐにボロが出る動機である。模倣犯の癖に模倣してないし。 というか舞城王太郎は犯人になんの関心も持っていません。

セカイ系っていうライトノベルの分類(?)があるようで、 そのセカイ系は俺には理解出来ない分野なのだが、 たとえば「星の声」(はライトノベルじゃなくてアニメだけど)なんかでは、 実はロボットも戦争も宇宙旅行もどうでもいいことで、遠距離恋愛の話なのだが、 この小説においても殺人はどうでもいいことで、では何が重要かというと これが全然分からないのである。「煙か土か食い物」では、 やはり殺人はどうでもよくて、家族の愛情とか憎悪とかが中心なのだが、 それはまあ主人公のキャラクターと合わせてうまく描かれていたわけだ。 ところがこの作品ではその家族についても同じことの蒸し返しでしかも 弱くなっているし。

ところが舞城王太郎はこの作品に何かの意図を持ち込んでいることは確かで、 俺は読み間違いかと思って、前のページに戻って読み直し、それから、 この記述が本当なら犯人はあいつしかいないと思い、 読む進めると違うことが書いてあったので、 落丁かと思って ページ番号を数えたが落丁ではなかったというような記述があるのである。 それ以外にも、そういうことが起るのが現実なのだというような記述もあり (俺はそこを読んだ時に小説の中でそれが強調されているということをもちろん 意識し、つまりそれは現実ではないのだと思ったのだが)、また、 二郎の消息についても非現実的なことがこの小説の中の現実として書かれている わけで、つまりはこの小説に記述されていることは本当にあったことではないと 言っているかのようだ。が、もちろん、フィクションなのだから 本当にあったことのはずがないのである。 まあそうは言っても、丁寧に読むと表面上に記述されている事件とは 違った事件の真相が読み取れるというようなことはないと俺は確信している。

たぶん、殺人になんてなんの意味もないし、恋愛にもなんの意味もない (この小説では主人公はヒロインと別れて終るし、 それにも拘らず主人公は別の満足を得てハッピーエンドなのだ。 いや、これはネタばらしじゃないよ。 別れようがくっつこうがそんなことは この小説の中でなんの意味も持たないのだから)。 首尾一貫した真実なんてものは存在しないし、 そのように物語を記述することにもなんの意味もない。 小説を読むということにもなんの意味もないし、 生きていることにもなんの意味もない。 そもそも意味なんて人間が頭の中で作り上げたことであって、リアルではないのだ。 なんの意味もないということがリアルなのだ。

というようなことをもしかしたら舞城王太郎は主張しているのかも知れない。 わからんけど。とにかく、俺はだんだん面白くなって楽しめるようにわざわざ デビュー作から読んでいるのに、どんどんつまらなくなっていくということを 味わっている訳だよ。そう作家がだんだんうまくなるなんていうことも、 まったくの作り事なのだ。どんどんつまらなくなる方がリアルなのだという ことを実証しているのか、まさか。

2004年11月4日 (木)

○あーあ

ブッシュが勝っちまったな。 これでアメリカ(+属国)対イスラム原理主義の戦争はますます 激しくなるんだろうな。 まあ、小泉とか自衛隊を増強したがっている連中は喜んでる訳だが。

で、東京でテロが起きたとしたらどうなるか考えてみたのだが、 一回のテロなんて所詮建物一個とか交通機関一個とかしか破壊しないから、 地震や台風などの自然災害よりも被害は少ないのだな。 テロが起きたと分かった時には、たまたまその場に居たのでなければ、 特に注意する行動もないのかもしれない。

じゃあテロが起る前に注意して近づかないようにする場所はといえば、 国会議事堂や首相官邸なんてもともと近づかないだろうし、 やはり一般市民が近づく可能性が高くてやばい場所は、その形からいっても、 東京都庁だろう。イスラム教徒に対しても差別意識を 持っている石原慎太郎がいるしね。 都庁だってそうそう行く用事はないけどね。 乗り物では、飛行機、新幹線、地下鉄がヤバそうだが、 山の手線ももしかしたら狙われるかも。

でも、イスラム教は一神教でアッラー以外を神として崇めることは 許されないのだから、そういう教義からしたら、天皇が狙われるかもしれない。 日本は首相が必ず靖国神社に参拝する国家神道の国だからね。

あとは原子力発電所か。でも飛行機の衝突くらいは耐えるかも知れないし、 もし耐えられた場合はテロとしてなんの成果もないことになるから、 それはないかもね。

東京一極集中のおかげで、日本の東京以外の場所でテロが起きるとは、 俺にはちょっと考えられない。

2004年11月8日 (月)

○つまらなかった本

坂本竜馬に関する本を図書館で借りたのだが、これがまた実に手抜きというか 出来の悪い本であった。まだ、前半は手抜きといっても、まあ雑誌掲載かなんかの 雑文を載せてあるだけだから、同じことが何度も繰り返して言われるといいう程度の 出来の悪さだが、後半は作者の小説というのが掲載されていて、つまりこの本は エッセイと小説とが両方載っているという形式なのだが、 その小説がまあひどいというか、片方は単なる手抜きでしかないが、 もう片方はなんというか坂本竜馬を貶めるというか、 ひどいよ。エッセイの方では坂本竜馬には人を殺さないようにという考えがあったと 言いながら、その小説では無意味にあるいは自己の都合のためだけで、 竜馬が人を殺すあるいは他人が人を殺すように仕向けるなんてことが書いてあるのだ。 ひどい、全然駄目。作者が年寄りだからもうまともなものが 書けなくなってしまったのか、それとも大学教授なんかやっているから駄目なのか、 それとも本来は詩人だから小説は金を得られればいいと考えているのか。 ともかく、全然駄目で、この人の本は今後読まないようにしようと思うのに、 どう考えてもそのために作者の名前を覚えておくということが出来そうもない。

ただ、本のタイトルはよい。それにつられて借りてしまったのだ。

○ソリトンがひらく新しい数学(上野喜三雄)

ソリトンがひらく新しい数学【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

図書館で借りた本。おお、これは面白そうだと思わせる本。 ソリトンに関する数学的な側面から書かれた本で、 そこから無限自由度の解析ということまでを解説している。 こういう本を高校生あたりが読むと、数学に興味を持つんじゃないかな。

ただ、この岩波科学ライブラリーはとにかく薄いので、 話が表面的になりがちである。でも、きっかけとしては十分。

○地底から宇宙をさぐる(戸塚洋二)

地底から宇宙をさぐる【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

図書館で借りた本。岩波科学ライブラリー。 この題名からすぐにカミオカンデの話だと分かるべきだったのに、 読みはじめるまではそうと気付かなかった俺のうかつさよ。 この本が書かれた時は、まだスーパーカミオカンデは稼働していなくて、 内容はほとんどカミオカンデのことである。 でもそれよりもニュートリノについての入門的解説書として優れている。 ニュートリノの質量についてもこのころからあると言われていたんですな。

○宇宙を支配する暗黒のエネルギー(千葉剛)

宇宙を支配する暗黒のエネルギー【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】読了。

図書館で借りた本。岩波科学ライブラリー。 暗黒物質ではなくて暗黒エネルギーの話。 おれなんかこう人間の能力の限界を感じることが多いので、 宇宙ができて一秒後までの様子がいかにももっともらしく説明されると、 本当にそんなことがわかるのかと思ってしまうのだが、 宇宙が出来た直後のことはわかっても、今の宇宙のダークマターやら ダークエナジーやらはやはりよくわかっていないようで安心した。 この本はそのよくわかっていない暗黒エネルギーのことについて、 アインシュタインの宇宙定数とか真空のエネルギーとかいうことなどが 書かれた本だか、すっきりした解説というよりは、こんなに分かっていないという 説明である。

科学の謎をずばずばと解説したような本もわくわくするが、 あれもこれもわかっていないという話もまたわくわくするものである。

2004年11月9日 (火)

○DVD視聴

テレビはないがノートパソコンでDVDが見られるので、時々アニメを見るのだ。 今日は近くのレンタルビデオ屋が一泊100円の日なので、「パトレイバーWXIII」と 「マリア様がみてる」と「ストラス・フォー」を借りた。 パトレイバーはさすが名作と言われるだけあって、素晴らしい。 ラストちょっときついけど、悪いという意味ではない。

「マリア様がみてる」は失敗作ですね。というか、アニメ化の帯に三頭身祐巳が 載っていたので、きっとアニメのアイキャッチはこの祐巳に 違いないと思っていたのだが、全然違ってがっかり。 というか、ラブコメのコメの部分が弱すぎるよ。 マリみての世界を表面的に受け取りすぎだよ。 あれは庶民の祐巳がお嬢様の世界にいるギャップを出すためのお嬢様世界なので あって、それ自体が憧れの世界というのとは違うのだよ(と俺は思うのだが)。 と思ったら、次の巻はどじょうすくいがあるのか、ま、借りないけど。

「ストラス・フォー」は棚に一つしかなくて、貸し出し中とかいう意味ではなく、 ただ一つだけ置いてあったので、ジャケットだけ見て借りたのだが、 なんと二巻だった。でもまあ面白かったけど。OVAかと思ったらテレビ版なのか、 それだと長いからさすがに追いかける気はしないけど。 でも、この二巻を見るかぎりでは、明らかにタバコが悪役を意味するアイテム として使われていますね。しかも、本来禁煙であるべき場所も禁煙とはなっていない。 つまり禁煙のところでタバコを吸うから悪役なのではなく、 タバコを吸うだけで悪役ということでしょう。非常に正しい使い方だ。 とはいえ、それでも、タバコのシーンは俺には不愉快だが。 (そういや、マリみてにはタバコのシーンはないな) ツッコミどころはあるけれども、基本的にはハードSFアニメ。 まあ、おたくの好きな美少女アニメでもあるが。

ところで、おれのパソコンのDVD再生はやはりおかしくて、音声が時々ひっかかる。 それもものによって違って、この三つの中だと「マリみて」が一番頻繁に音が おかしくなり、その次が「ストラス・フォー」。他には前に借りた「モンキーターン」 も音がひっかかる。

さてこの原因だが、おれは最初はソフト的な理由で、 なにかDVDの録音方式の新しいものがうまく再生出来ないのかと思ったのだが、 今はもしかしたら、パソコンの音関係のチップがいかれているのかもしれないと 思うようになった。絵でなく音がひっかかるというのが不思議。あっ、もしや 絵の再生を優先するために、絵が重いと逆に音がひっかかるのかも。


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